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残雪の白神岳登山 [登山]

「カモシカnagai」2013年の登山も本格始動です。

始動にしては少し骨っぽい山白神岳に登ってきました。

世界自然遺産白神山地の最高峰・向白神岳までの往復縦走を目指していましたが、あいにくの天候不良に祟られて前衛の白神岳山頂避難小屋で停滞し無念の下山となりました。

「向白神岳を一回の挑戦で山頂踏むのはよほどの幸運がないと・・・」と云われましたが、まさに言葉通りの難関向白神岳でした。

しかし避難小屋で知り合った三沢から来た好漢・igaさんと濃密な時間を過ごし、固い絆で結ばれましたので来季の再アタックを誓いあっての撤退ではありました。
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長野から新潟県を走り日本海東北道の新潟県終点の道の駅・あさひで仮眠、翌朝山形県に入って鶴岡から幕開け直後の月山スキー場に走りましたが、到着と同時に雨降りとなり、当初予定の山スキーによる湯殿山登頂をあきらめました。

鶴岡に戻り霧の中の鳥海山の麓からR7を秋田県に入り、秋田市・能代市と走って青森県深浦町まで来ました。長野からは750キロを超える距離ですが、適度に休憩をはさみながらのロングドライブも楽しいものです。(嘘・苦しいものです)

白神岳の入山口には立派な小屋があり前泊も可能ですが、連休前の今日はまだ小屋開けしていませんでした。大きな駐車場で酒をたらふく飲みながら車中泊は楽しいものです。(これは本当)
翌日の天候が気になるところではありましたが、ロングドライブの疲れを落とすことが出来ました。


4月27日
夜半からしとしと降りだした雨は朝になってもすっきりとはしません。
一旦五能線の十二湖駅付近に下りトイレと朝食を済ませ夜明けの十二湖巡りを楽しみました。
今日は白神岳の山頂避難小屋までの半日行程ですから、天候を見ながら余裕の行程です。

10時過ぎに入山口に戻ると先発したと思われる車が一台停まっていました。
今日入山した者がいるという事に気をよくして、私も2泊分の食料・炊事道具・寝具の入ったザックを担いであとに続きました。11時過ぎの行動開始でしたが雨は上がっていました。
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10分ほど林道を歩くと登山ポストのある登山口に着きました。
記帳所をのぞきノートを見ると先行者は7時には入山したようです。
そして2日前には小屋泊で向白神岳まで往復してきたと云う記録もあり「いよいよ難関向白神岳に立てるか」と云う期待が膨らみます。

登山口11:30出発
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雪が解けて現れた夏道を進み最初のポイント二股分岐までは30分の行程でした。
更に最後の水場まで30分予定どうりの行動です。
水場を過ぎると夏道はなくなり残雪のトラバースが続き、いよいよ煩わしくなってきました。
そして残雪たっぷりの樹林帯に来ると急坂の斜面に直登するトレースを拾うことになります。
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標高差200m位を喘ぎながら登りあげると、白神岳からマテ山に延びる支尾根に登りつきました。
ブナ林の尾根で残雪も2m位はあります。霧に包まれて幻想的な尾根を先行者のトレースを外さないように続きます。
マテ山支尾根13:50
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尾根を30分ほど歩き急坂を登りきると、森林限界を超えて強風吹く山頂稜線に届きました。
耐風姿勢を取りながらトレースを追い、20分ほど進むと藪の中に祠が現れました。
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そしてそこからわずか先に大きなトイレ棟と避難小屋がホワイトアウト状態の中に現れました。
2階の窓まで雪に覆われた白神岳山頂避難小屋です。
小屋到着15:45頃(登山口からの所要タイム4時間15分)
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小屋には先行者が1名シュラフに包まれながら寛いでいました。
こんな状態の中で一人では心細いので私にとっては大きな味方に思えたものです。
時々強風が小屋を揺する中、持ち上げたビールと焼酎を飲み、おでんを温めて中から体を温めます。

先行者は三沢から来たという私のムスコと同じ年の好漢・igaさんです。
焼酎を少し分けてあげながら山談義に話が弾みます。
明日の好天を祈りながら、夜の帳が下りるころにはシュラフに潜り込みました。


夜は本格的な雪降りになり深夜には吹雪模様です。

4月28日
翌朝窓を開けると新雪10センチくらいの積雪です。そして雪はやんだものの完全にホワイトアウト状態です。
昨日まで残っていた向白神岳へのトレースも完全に消えてなくなり、向白神岳目指すには晴れるのを待つしかありません。ラジオで天気を確認しますが、昨日の昼からは晴れる予報がどんどんと繰り下がってゆきます。
1時間おきに窓の外を覗いてはigaさんとため息です。私は停滞を覚悟して2泊分の食料を持ってきているので連泊しても良いのですがigaさんは10時頃には下山を決意しています。

私も明日の天気回復も怪しい状態なので10時には下山を決断し、小屋のすぐ近くの山頂をカメラに収めにホワイトアウトの中手さぐりで出かけました。思ったより多い積雪で登山靴のクルブシあたりまで潜り、吹き溜まりでは足を取られるほどです。
翌朝の白神岳山頂避難小屋(南面)です。屋根の雪は吹き飛ばされていました。
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小屋から2分ほどの白神岳山頂標識も近づいてみないと判別できないほどです。
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白神岳は一等三角点峰で、その標石もカメラに収めたかったのですが残念雪の下です。
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山頂をカメラに収めていると、なんとホワイトアウトの中から3人の登山者が現れました。
今朝5時半に登山口に入ったという地元青森の方です。


小屋に戻ると私は悩ましい思いに駆られます。3人は間をおかずに小屋に飛び込んできました。
青森のベテラン岳人は「3月にもこの小屋まで来たが、天候に阻まれて向白神岳までは行けなかった。明日は天気回復しそうだから・・・」と私にも話しかけてきます。
下山を決意したigaさんは「nagaiさんの向白神岳登頂報告待っています」と云いながら下山の支度に余念がありません。


一旦は「明日このベテランの跡を追って向白神岳まで」と云う気持ちになりましたが、「明日の天気も今日のように回復が遅れたら・・・」と云う思いも強くなり、きっぱりとigaさんと下山をすることを決断しました。



決断すれば行動は早いです。荷物をまとめ小屋を出たのは11時過ぎでした。
小屋前で記念の一枚。
白神岳避難小屋発11:50
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ホワイトアウトの中に立つigaさん。
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新雪の中しっかりとしたトレースを追いながら下る幸運に恵まれたというものですが・・・。
トレースを拾いながら山頂稜線を下りマテ山への支尾根にかかるときに後ろから追いかけて来る者がありました。朝登ってきた3人組の一人です。てっきり同じグループの者と思っていたら登る途中で青森のベテラン2人組に追いついて一緒に山頂に着いたと云う滋賀県から来た青年です。


しっかり残っていたトレースを蹴散らすように追い越して行きました。私たちも疑うことなく彼の後に続きました。青年はトレースがないのにどんどん沢筋を下ってゆきます。「地元の良くわかった人でしょう」などと楽観的に後を追いましたが、「なんだかおかしいな~」と思う頃、青年が「どうも違うようだ」と引き換えしてきました。


igaさんが地図とコンパスで確認し間違った沢に入り込んだことを確認しました。3人で20分位は登り返して、沢に下った付近で登り足のトレースを探します。ウロウロと探して何とか登り足のトレースを拾うことが出来ました。

マテ山支尾根13:55(ロスタイム約1時間30分)
まだホワイトアウトに近い状態で目の前に延びるマテ山への支尾根が見えなかった為のとんだアクシデントでしたがigaさんの的確な読図により事なきを得て支尾根に下って一安心です。
igaさんと滋賀県から来たharuyamaさんです。二人とも30台の好青年です。
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私もharuyamaさんと記念の一枚。
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尾根に入るとしっかりとしたトレースも残り、急坂の下り口も間違えることはありません。
登りに喘いだブナ林の急坂を慎重に下りました。
急坂を下りきるとアイゼンを外しトラバース気味に下ってゆき水場に到着しました。ここから先はしっかりした夏道が現れていて何の問題もありません。
最後の水場14:50
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東北山旅を続けるという春山君を先にやりました。彼は今回北海道の利尻富士目指して秋田港まで来たが予約のフェリーに乗り遅れてしまったという不運でした。
しっかり東北の山と旅を楽しんでいってほしいものですね。



私は昨日から濃密な時間を過ごしすっかり同士になったigaさんと二人、適度に休憩をはさみながら白神岳を満喫し登山口まで下りました。
登山ポスト15:40(下山所要時間3時間50分ロスタイム1.5時間含む)


入山ポストを覗いてみると下山途中で一人の登山者にも会わなかったのに、弘前の勤労者山岳会が7人・東京の2人組などの入山記載があり少々驚きでした。道迷いしている間にすれ違ったのだろうかと思うしかありません。

明日の天気も怪しそうですので下山したことに後悔はありませんでした。それにもまして今回一緒に歩いた五十嵐君との来年の向白神岳再アタックが楽しみではあります。


来年元気にここに来れるかはわかりませんが、80歳を迎えてもまだエベレストを目指している御仁に比べれば、私の目標などちっぽけなものです。しっかり体調管理して来年またここに来ることを五十嵐君と約束して深浦を後にし日本海岸を南下しました。




十二湖の写真
十二湖は白神岳山麓に点在する神秘的な湖沼群です。
これが十二湖を代表する「青池」です。
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「まるでインクを流し込んだような」と形容されます。
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大きな「鶏頭場の池」ですが、霧にまかれて幻想的です。
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世界遺産ですから手厚く自然保護されています。
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近くには「日本キャニオン」というジオパークもあり、展望所まで足を延ばしてみましたが、霧で何も見えませんでした。また十二湖は津軽半島にある十三湖と間違えて訪れる観光客も多いのか、R101の十二湖入口には「十三湖まで96キロ」の案内看板が立っていました。



五能線十二湖駅に快速列車が入ってきました。
いつかはこの夕日が美しいと云う列車に乗ってみたいものです。
その時は家族全員で来ようと心に誓ったものです。
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コメント 6

臆崖道

悪天の雪中行軍、お疲れ様でした。今年は私も白神を観てみたいと思っています。
今年のGWの天候ですが、寒気トラフが北日本に居座り続けるため、東北~北海道の山岳は厳しい天候になる模様とのことです。でも乗鞍岳では、スカッと快晴の中での滑降ができるかもしれませんね。

あと大先輩に注文して申し訳ないのですが、できましたら日付を一箇所でもいいので記載していただけると助かります(何度も読み返しましたが、読みとることができませんでした)。
by 臆崖道 (2013-04-30 20:40) 

こば

白神は積雪が多いんですねぇ!
いつ行けるか分かりませんが私も少し研究します。
by こば (2013-04-30 22:28) 

kamoshikanagai

臆崖道さん
白神岳は世界遺産に選定されて20年の節目の年だそうです。
ブナの原生林が選定の理由ですから残雪季でなくても癒されますね。
小屋の泊まって十二湖に下り道もありますのでゆっくりと世界遺産楽しんでください。
憧れの五能線の絡めれば最高でしょう。
日程と行程を加筆しておきました。
by kamoshikanagai (2013-05-01 10:20) 

kamoshikanagai

こばさん
白神山地は標高1200m前後ですから、山高きが貴からずやですね。
夏でも冬でもそれぞれに魅力あふれた姿を見せてくれます。
来年東北山スキーツアーなども良いですね。
私には無理ですが・・・。
by kamoshikanagai (2013-05-01 10:24) 

KEN

白神岳は2度ほど登っている地元民です。
こうしたレポートはとても参考になりますね。私もいつかは向白神にチェレンジ
したいと思っています。去年は太夫峰に夏に登りましたが、そこから向白神
へのルートは藪がものすごくて私には無理そうです。
いつかは向白神を…




by KEN (2013-05-01 13:48) 

kamoshikanagai

KENさん
白神岳の地元にお住まいの方ですか。
青森の日本海側はこの時期天候が安定しないのですね。
来年はしっかりと天気予報を確認し再アタックしようと思っています。
白神山地はまさに自然の宝庫ですね。大事に保護お願いいたします。
by kamoshikanagai (2013-05-02 14:04) 

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